題名 ・・・・・ 『 種子ー’02 』
寸法 ・・・・・ 高さ90×幅85×奥行き45(Cm)
材質 ・・・・・ 黒御影石 伊達冠石
(制作年・・・・・ 2002.4)
作品制作の意図(思い)
『 私は、植物の種子というのは、
これから芽生える「生命」が充填された
カプセルだと感じています。
種子は、自ら芽生えるために条件の整った
ふさわしい場所を求めて、時空間を旅します。
この作品では、種子の発芽の「予感」を
石のかたちにいれた、スリット(空間)で表現しました。
「予感」という、目には見えないモノを
「空間のかたち」で表現したいと思いました。
石と空間の関係、
ポジティブ(実)とネガティブ(虚)の関係によって
「予感」というものを感じていただけたなら、
とても嬉しく思います。
この作品で、発芽の予感をはらんで立っている種子は
私、あるいはあなた自身、
そして台座は、その種子を目覚めさせる大地と考え、
作品全体で風景を表現したいと思いました。
「予感 」を内包する種子も、それを芽生えさせる大地も
どちらも生きているということを
何かしら、共鳴・呼応しているように
表現してみたいと思いました。
赤ん坊は、生まれた時の記憶を持っているといいますが、
そんな風に誰しもが、心の中に
何かしらの原風景をもっているのだろうか?
もしあるとするなら、それはどんな風景なのだろうと
思いながら彫っていました。
この作品を見て下さる方、それぞれが、
ご自身の心の中へ、深く深く、立ち帰ることができるような、
自分自身との対話時間を持って頂けたら、
私はとても嬉しいと思います。』