杜にたゆたう of 彫刻工房 くさか


rogo1.jpg彫刻工房 くさか
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題名 ・・ 『 杜にたゆたう 』


寸法 ・・・・・ 高さ145×幅55×奥行き45(Cm)
材質 ・・・・・ 白御影石、台湾蛇紋石、鉄台座

(制作年・・・・・ 2007.1)






『冬のある日、私が公園を散歩していると
 ある一本の木に目がとまりました。


 葉の落ちた木の枝に、何かベージュ色の
 乾いたものが、すずなりについています。


 近づいてよく見てみると、それは
 私がこれまでに見たことのないかたちの種子
 のようでした。


 鳥の一枚の羽根のようなかたちで、
 羽の根元に 種子らしき膨らみの粒があります。


 それが二枚で一対になるように、種子の部分で
 向かい合わせにくっついていました。


丸みを帯びた、糸切りばさみのようなかたちです。


 その羽のついた種子は、風が吹くと枝から離れ、
 クルクルとプロペラのように回転しながら
 飛んでいきました。   





 私は、種子というのは、新しい生命が充填された
 カプセルで、発芽するために、ふさわしい場所を
 求めて、時空間を旅するものだと感じています。 



私はそれまでにも、植物の種子には、
 遠くへ行くために、まるで知恵を秘めたような、
 様々なかたちをしているものがあることは知って
 いました。

 この種子を自分の目で見たとき、
 この「遠くへいくためのかたち」に、
 また、新鮮な感動を覚えました。





この冬の日、出会った新しい種子は、
 芽生えるための場所へ向かう旅の途中、 
 どんな表情を見せるのだろうか?と想像してみました。


 きっと春先、温かい陽気に、喜びに満ちて
 軽やかなダンスでもおどるようにたわむれながら
 旅をしているのではないかとイメージしました。


 そんな生命感にみちた、いきいきとした
 かたちを軽やかに表現してみたいと思い、
 この作品を作りました。


 この作品を見て下さる方が、
 童心に帰るような、無邪気で、軽やかな気分になって、 
 いただけたなら、私はとても嬉しく思います。』