The Rebirth of 彫刻工房 くさか


rogo1.jpg彫刻工房 くさか
あなたの生活空間に芸術作品を!「想い」を「かたち」に!


HOME > オリジナル作品 > The Rebirth

030aThe-Rbirth.jpg

題名 ・・・・・ 『 The Rebirth 』

 寸法 ・・・・・ 高さ135×幅45×奥行き65(Cm)
 材質 ・・・・・ インド産黒御影石、白御影石

 (制作年・・・・・ 2008.10) 







 作品制作の意図(思い)

『題名は「再生・復活」を意味しています。


その言葉の通り、私は「再び新しく生まれる」
 ということをテーマに、この作品を制作しました。 


 新しい命が かたちの内側の空間から
 外側の空間へと飛び出していくイメージを
 表現しています。


 私は、植物の種子というのは
新しい生命が充填されたカプセルだと感じてきました。


その感動から、この作品以前にも
「種子シリーズ」として、種子を題材に
 すでにたくさんの作品を制作していました。


 それまでの作品では、見て下さる方の意識を
 造形された種子の内側へ、内側へと導くような
 求心的な表現を試みていました。


 この作品では、逆に種子の外側へ、外側へと
 生命のエネルギーを解放するような表現を
 試みたいと考えました。




 そのきっかけとなった、具体的な出来事があります。
 それはこの作品を制作した2008年の6月14日に発生した
 宮城・岩手内陸地震でした。


 その頃、私は仕事のご縁で
 宮城県内最大の被災地である栗駒市に出向く機会があり
 この震災をどこか遠くの出来事とは思えませんでした。


 地元の方々の実生活や精神面、様々な面での
 被害の大きさがとても気がかりだったのです。




 その一方で、被災後ほどなく復興に向けて動き出した
 人々の前向きな姿勢にも心打たれ
 敬意を表したい気持ちになりました。


 この作品は私自身が、その復興を作品で応援したい
 という気持ちで制作したものなのです。




 地震では、栗駒山など山の崩落や、
 山中の水脈が変わるほどの
 著しい風景の変化が起こりました。


 それは、何名かの尊い命が奪われるほどの
 激甚災害でした。


 その、とてつもなく大きな被害から
 復興を目指して立ち上がろうと懸命に努力する人々の
 復興・復活へのエネルギーを
 私なりに作品として形象化したいと考えました。




 かたちのきっかけとしたのは
 それまでにも、自分の主要なモチーフとしてきた
 植物の種子ではあります。


 けれども、この作品では種子を
 円相のかたちにまで抽象化、単純化することによって
 見て下さる方にとって、もっと別のもの
 例えば、一つの星、世界などとも
 受け取れるものにしたいと考えました。


 すでに完結した世界
 自分を包み守っている世界を打ち破って
 新しく外の空間を目指して飛び出してく
 解放のエネルギーを、彫刻の「量感と空間」で
 おおらかに表現したいと考えました。




 この作品のサイズは、そう大きいとは言えません。

 けれども、私はこれを、
 新しい世界に向かおうとする人々
 そのために力を発揮していこうと願い、行動している
 すべての人々を作品で応援をする、モニュメント(記念碑)
 にしたいと考えて制作いたしました。


 この作品を見て下さる方々には
 私にとって制作の動機となった
 地震という事象にはとらわれることなく
 それぞれの感覚で、見ていただいて
 構わないと考えています。

 この作品によって、見て下さる方の心に
 新しいところへ向かう「元気」や「励まし」を
 伝えることができたなら
 私はとても嬉しく思います。』