題名 ・・・・・ 『 朝を待つ種 』
寸法 ・・・・・ 高さ50×幅60×奥行き40(Cm)
重量 ・・・・・ 45kg
材質 ・・・・・ 黒御影石
(制作年・・・・・ 1999.4 )
作品制作の意図(思い)
『「果実の中で発芽を待つ種」
という主題で、この作品を
制作いたしました。
ある時、私は、
自分の食べようとしている
果実に虫食いが入っているのに
目が釘付けになりました。
理由は、その時の私には
果実は虫食いによって空洞化していき、
死に向かっていくのに、
中身の種子にとっては、
自分を包み込み、外界から閉ざす
果実の外に出て
生に向かっていくという、
死と生が入れ替わる場面に
感じられたからです。
一つの果実というものの中に
そんな風に生と死の両極が内包
されている不思議さを、
この時は、本当に息をのむような
はっとする新鮮味、衝撃をもって
感じたのです。
人間とは異なる植物に
果実という外側、種子という内側
があることを、実感として発見し、
それを自分自身の
外面的なことと、内面的なことに
重ね合わせて
なぜだか共感する気持ちが
芽生えました。
それは、いうなれば
『本当の自分を追求したい』という
心情からくるものだったように
思います。
自分の外側を破って、
本当の自分のコア(核)をもって
生きていきたい。
そんな、希望を求める気持ちで
制作いたしました。
この作品が 見て下さる方に
何かしらの共感の気持ちや
希望として伝わったなら
とても嬉しく思います。』
『 種子・・・新しい生命が
充填されたカプセル。
種子は発芽するための場所、
時間、条件を求めて、待機したり、
旅したりする・・・』