題名 ・・・・・ 『 羽化の朝 Ⅱ 』
寸法 ・・・・・ たて23.5×よこ10.5×あつみ3(Cm)
材質 ・・・・・ 台湾蛇紋石・イタリア産大理石・シルバークレイ
展示方法 ・・ ①壁面に2点フックを打付、架ける
②自作の展示用つい立に取り付けて、置く
(つい立て寸法 たて64×よこ30×奥行き42Cm)
作品制作の意図(思い)
『 数年前のある朝、自分の青空アトリエにつくと、蝶がまさに羽化しているところ
に遭遇しました。
その数日前から、私は自分がアトリエに置いている原石の割れ肌に、蝶のさなぎが
ついていることには気づいていました。
そのさなぎが、いつ羽化するのだろうと毎日、目は配っていたものの、本当に羽化
している最中に立ち会える日が来たことに、とてもドキドキしました。
朝露の中、蝶の羽もしっとりと濡れていて、か弱く、儚なそうで・・・。
でもきっと大丈夫・・・。
羽が乾いて飛び立つまでは、誰にもおそわれないように・・・
と祈る気持ちで眺めていました。
そんな体験をしたあと、台湾蛇紋という美しい緑色の大理石に出会いました。
あおあおとした夏の木の葉のような色みの石です。
この石を観たときに、あの蝶は、私の原石の上で羽化したけれど、本当はこんな
風にあおあおとした木の葉の上で、羽化させてあげられたら、もっと美しく見えた
だろうなぁ・・・と、ふと思い出しました。
そんな、ささやかな思いから、この作品は生まれました。
蝶の羽の濡れた感じ、緑の葉を朝露がころがるように流れるイメージをシルバーで
表現してみたいと考えました。
この作品を手元において下さる方が、さなぎからかえったばかりの蝶の初々しさを
イメージして頂けたらとても嬉しく思います。
そして、この蝶を眺める、そのほんのひと時、現実的な日常をはなれて、
その方ご自身の心の、とてもピュアなところに立ち帰っていただけるような時間が
提供できたなら、私もとても嬉しく思います。 』