遠い風景 of 彫刻工房 くさか


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題名 ・・・・・ 『 遠い風景 』


題名 ・・・・・ 『 遠い風景 』
寸法 ・・・・・ 高さ175×幅84×奥行き88(Cm)
材質 ・・・・・ 黒御影石 、伊達冠石、鉄台座
 
(制作年・・・・・ 2004.4)






 作品制作の意図(思い)


『私は、誰しもが共通してもつ
 原初的な記憶、原風景の記憶って
 あるのだろうか?と素朴な疑問を
 持ったことがあります。


 それは、人それぞれのふるさとの風景・・・
 というような、郷愁、懐かしさなど
 感情を伴う記憶とは異なる

 太古の昔から、何世代にもわたって、
 遺伝子に記録されているような、
 生命誕生の原初的風景、という意味合いで
 イメージしているものなのですが・・・。



 
 なぜ、私がこんなことを考えたかというと
 
 私は、個人それぞれの記憶というものは、
 「私はこうやって生きてきたのだ」という
 その人、その人その人間性、アイデンティティーを
 支えるものだと考えています。 



  もし、人間がみな、同じ種の生命体として
 共通の原初的風景、あるいは地球上に生命が
 誕生した頃の記憶を持っていて、

 「我々はこんな風にして、この地球上に誕生
 したのだ」という、共通の記憶をよりどころとして、
 お互いに尊重、共感・共鳴し合うことができたなら

 全世界は、もしかしたら、今現在の在りようとは
 全く異なる世界になっていたのかもしれない、と
 ふと思い至ったことによります。



  
  もし、そんな風に、
 誰しもの遺伝子に同じように刻まれている、
 原初的な風景があるのだとしたら、
 それはどんな風景なのだろうと想像していました。


 そんなことを考えていた、このころ、
 植物の種子は、私にとって、生命の根源的イメージ、
 シンボルともいえるモチーフとなっていたので
  
 その種子のイメージを借りて、生命誕生の原初的
 風景というものに、私なりに思いをはせてみました。




 この作品を見て下さる方が
 この作品を入り口として、
 ご自身の中にそんな風景があるのかどうか
 
 ご自身の心の、脳の、遺伝子の、
 ずっと内奥の空間へと、意識の上で
 旅してみてほしいと思いました。



 そんなイメージで、この作品を見つめ
 楽しんで頂けたなら、私はとても嬉しく思います。』